本来の自分に還る

人間関係を結ぶとき、例えばテクニックやハウツーを超越して「本当の自分」で相手と関わりたいと思うとき、そのとき初めて「自分とは何者なのか」という問いに直面します。世の中に散乱している情報を受け入れていればいいと考えていれば、それほど自分を知る必要に駆られないかも知れません。

自分が見ているものは幻想・錯覚である

私は、あるスピリチュアルの教えに出会ったときに生き方革命が始まりました。それは、スピリチュアルの教えの根幹というのは、「自分が見ているもの、信じているものは幻想・錯覚である」というものです。私たちは愛そのものから生まれ、そして神と分離し、体験・経験するためにこの現実世界はあるというのです。幻想という考え方は自分の人生に照らし合わせてみると当たっている部分が多く、このスピリチュアルの考え方というのは的を射ているように思いました。

日野晃先生による武道の本質追究

しかしまた、私は日野晃先生にも教えを請うたことがありました。宮本武蔵などの古武術を研究し、体得された方です。私は日野先生の武術道場にも通ったことがあります(片手で数えるほどの回数ですが)。私は過去に空手やその他の武術も学ぼうとしたことがありますが、ほとんどが形だけのものでした。そもそも強さとは何か、その本質を伝達できなかったのです。日野先生は武道を通じて人間の本質を伝えようとしていたのでした。

日野先生が著した本、「武術革命」(BABジャパン)には、このような記述があります。一部を引用します。

友人たちと、五輪の書を実現させようと実際に練習をし始めたとき、友人の一人が『剣と禅』の中から発見した一節を紹介してくれた。それは、直新影流に残る言葉で、

後来習態の容形を除き、本来精妙の恒体に復す(こらいしゅうたいのようけいをのぞき、ほんらいせいみょうのこうたいにふくす)」だ。

この言葉は、「生まれて以来知らず識らずについた有形無形のクセを除き、こびりついた自我を否定し尽くし、かつ身体修行の三つを一つに溶け込ますための修行であるに違いない。道元禅師の・・・」と解説されている。

(中略)単純に捉えれば、「クセを取り除かなければ駄目だ」ということだが(中略)乱暴に単純化して言えば、一つの生命が両親から誕生し成長する。その過程の中で色々な考え方や感じ方、いわばクセが身についていく。(中略)ところが(中略)世間や社会に適応できる考え方や感じ方に変更していかなければ社会で通用しない。それは、より広い意味での「人間とは・生きるとは」を問うことになっていく。そうすることで、自分自身の小さなこだわりや世界観を捨てていくことになり、生命や人生を達観できるようになる。

(中略)しかし、これを実現するための大きな障害は、自分は自分のクセを知らない、と言う点であり、だから、自分は自分のクセを知らないから、クセで出来上がっている自分が正しい、と無意識のうちに思い込んでいる。その自分を、自分の行動を通して発見し否定していく、という作業の難しさがある。この言葉は現代で言うところの「自己成長・自己実現」のための究極の具体的システムを表している言葉だったのだ。

追求の共通点

私がこれらを見ていて面白いなと思うのが、すべて究極を追求していくと一つの方向性を指し示していると言うことなのです。つまり、スピリチュアルや神の概念も、本来はエゴや体の自分、思い込みというものが苦しいものであるためにそこから解放させるために生み出されたものであると言えなくもないでしょう。武道も、本質的なものであれば生命誕生から今日至るまでに身についたクセや習慣を手放せと言っているのです。

これを私なりの表現で言い換えるとどうなるか、それは、「本来の自分に還れ」ということです。これらの教えが伝えていることの共通点はそこにあると思うのです。ボディセラピーを通じてその事を伝えようとしている人にも会ったことがあります。しかし、私はずっと私なりの方向性を求めていました。そして、私なりの入り口が「」なのです。スピリチュアルも武道も、ボディセラピーも、究極的には意識・心のあり方の変容を目指していると私は思っています。

私は心という入り口から、人を本来の姿に戻すと言うことをしたいと思っています。しかしそのためには「本来どうなのか」という定義が必要です。ただ、それを今ここで言葉にしてしまうとあまりに究極過ぎるために人に受け入れられるとは思いません。何事も順番があるのです。そのため、現代の一般的な人々に理解されやすい表現として、「この世に生を受けた瞬間は何の癖も無く制限もなく無限の可能性であった」と表現しています。まずはここへ戻れるように、案内できるようになっていきたいと考えています。(もちろん、その先も用意されています)

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