「7つの名前を持つ少女」

随分久しぶりの投稿になります。ちなみに私の近況について少し言いますと、現在カウンセラーとしての仕事は止まっており、むしろ再び準備中の状態へと逆行しております。現在は様々な本を多読しているところなのですが、そのうちの1冊、「7つの名前を持つ少女」(大和書房、イ ヒョンソ著)について少し感想を書いてみます。この本は、ある脱北者である女性の物語ですが、この著者はどうやらTEDで講演もしたらしく、かなり有名な女性のようです。

北朝鮮

皆さんは北朝鮮という国に対してどのような思いを持っているでしょうか。例えば私の場合ですと、危険な国だという漠然とした意識しかありませんでした。そもそもあまり興味がないので、何も知らなかったのです

しかし、そもそも論で言いますと、北朝鮮という国が昔からあったわけでもありませんし、どちらかといえば1950年の世界戦争の犠牲で生まれてしまい、しかもその後にソ連崩壊で見捨てられてしまったというとんでもない悲惨な国だと言うことが分かってきました。日本はアメリカと協力して北朝鮮と戦うなどと言うことを言っているようですが、そんなバカなことをするべきではないと思います。考えるだけでもバカなことです。むしろ彼らは救いを求めていて、助けてあげるべき対象だと私は思います。戦う相手なのではなく、解決するべき問題がそこにあることを感じます

韓国との間の国境は、朝鮮民族の意思で引かれた国境ではありません。ドイツのように統合に向かうべきなのだと思いました。北朝鮮という独立した国があると考えるよりも、本当は朝鮮半島にはずっと1つの国しかなかったのに、勝手に他の国がやってきて分割してしまったという悲惨な状況なのです。

家族愛

この著者は脱北するまでの課程においてものすごく大変な目に遭うわけですが、奇跡的にも多数のトラブルをうまく切り抜けていきます。どうみても生きているのが不思議なくらいの大変なトラブルの連続です。しかしながら、この著者には不思議な運がついて回ります。さらには、なぜか人から好かれるという得がたい特質も持っています。

そして、この数奇な運命のきっかけになったのも彼女自身の無謀な冒険です。一体どのようにしてこれほどの自尊心や自己信頼感が彼女に宿ったのでしょうか。私はそこに着目しています。人に生きる力を与え、特別に努力しなくても人から好かれ、自信を与えるこの根源的な力は一体どこからやってくるのか、私が最も興味のあるテーマです。

しかし、この本に限っては別に研究するまでもありません。著者自身が、「愛に溢れる家族こそが自分の生きる力の源泉」であると本の中で言及しています。北朝鮮という国は我々から見るとブラックボックスのようによく分からない国であるわけですが、そういう国であっても家族愛というのはあるんだというのはなぜかホッとさせるところです。

とても面白い本

まるで小説のようなノンフィクションである。どうでもいい娯楽にうつつを抜かしている暇があったら、この本を読む方がよっぽど面白いと思います。近くて遠い国についても学ぶことが出来ますし、一石二鳥だと思います。

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